外装塗装リフォームの工程①
今回は外装を塗装でリフォームする場合を順を追って説明していきます。
少し長くなるので、数回に分けてアップしていくことにします。
例えば延床30坪の家を丸ごと塗装リフォームする場合の施工日数は10日~15日ほどが平均的です。工程については、細かい箇所は業者や地域で異なることもありますが、仮設工事(足場)⇒下地の確認⇒高圧洗浄⇒養生⇒錆止め・ケレン⇒下塗り⇒中塗り⇒上塗り⇒付帯部⇒確認・清掃・養生撤去⇒施主立ち合い確認⇒仮設(足場)解体⇒引き渡し、というのが標準的です。作業によっては同時進行になる場合もあります。
それではそれぞれの工程について、詳しく説明していきます。施工期間の天候や実際の家の状況などで工事日数が延びたり、多少工程が変わることもありますので注意してください。
ただし、高圧洗浄をしないとか、下塗りをしないというような場合は、正しい工程ではないことが考えられるので確認した方がいいでしょう。
■仮設工事(足場・メッシュシート)
足場をしっかり組み立てないと、足元が安定しないので作業自体もやりにくくなります。また、強風などで倒れると、隣家を傷つけたり、通行人に怪我をさせる恐れもあります。そのため1日の工程を取ってしっかり足場を組みます。その際には大きなハンマー音が出るので注意しましょう。
足場と一緒に、メッシュシートも取り付けます。これは、高圧洗浄の水や塗料が飛び散らないように保護するものです。
■下地の劣化状況の確認と補修
高圧洗浄を行う前に下地の状態をチェックします。問題がある場合は補修をしてから次の工程に移ります。よくある劣化はクラックなどですが、下地の状態を確認しないまま高圧洗浄をしてしまい壁が壊れた、というトラブルも実際に起こっています。
また外壁が窯業サイディングでシーリングを先打ちする場合は、この時点でシーリングの補修を行います。
■高圧洗浄
高圧洗浄で、外壁や屋根に付いた汚れや古い塗装を落とします。その後しっかり乾燥させるために最低でも1日は置きます。しっかり乾いていない状態で塗装すると、剥がれなどの原因になるためです。
高圧洗浄は、外壁や屋根に付着した埃、コケ、チョーキングの粉などを綺麗に除去するために、専用の洗浄機で水を噴射して汚れを落とす作業ですが、洗い流すというより外壁や屋根の表面を薄く削るイメージです。
その水圧は80~150気圧くらいです。そこまで汚れていない場合は80~100気圧、汚れが激しい場合は120~150気圧程度で噴射します。ガソリンスタンドなどにある洗浄機の2倍くらいの強さといえば解りやすいでしょうか。
水は基本的にお客様の家の水道を使わせていただきますので、水道代はお客様負担となります。また、雨の日でも問題なく作業ができます。
水圧がかなり高いというお話をしましたので「外壁や屋根にダメージを与えてしまうのではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、通常の外壁、屋根であれば問題はありません。ただし前述のように外装の内部まで激しく劣化しているような場合は、水圧で崩れてしまうようなことも考えられるので、洗浄前には状態をしっかり確認するのです。
万が一状態が良くなく、高圧洗浄に耐えられないと判断される場合は、塗装ではなく張替やカバーリングなどでリフォームする必要があります。
次回は『養生』について説明します。