外装塗装リフォームの工程④
■屋根の縁切り
屋根の場合、もし塗装が2回目以降であれば、屋根材と屋根材の隙間が埋まってしまうと、そこに毛細管現象が起こり、雨漏りの原因になる可能性があります。そのため、屋根の隙間にはタスペーサーを入れてから、中塗り・上塗りと進めていきます。
*縁切りとは?タスペーサー工法と従来の工法の違い
縁切りとは、コロニアルやカラーベストといった薄いスレート系の屋根材の繋ぎ目の隙間が塗料により塞がるのを防ぐために隙間をいれることをいいます。縁切りには、縁切り工法とタスペーサー工法があり、どちらも縁切りと呼ばれます。
新築後1回目の塗装では、繋ぎ目の隙間もまだあり、塗装しても塞がらない場合は縁切りをしなくても大丈夫といわれる場合もあります。2回目以降は、繋ぎ目の隙間に前回までの塗料が残っていて、そこに再度塗装をすることで隙間が埋まってしまうことも多くなるため、縁切りは必須になります。
ただ、最近ではタスペーサー工法が普及し作業も楽になってきたので、1回目の塗装でもタスペーサー工法で縁切りした方が確実です。
私個人としては、屋根の2回目以降の塗装自体あまりお勧めできないと思っていますので、そういう場合はカバーリングや葺き替えも含めて検討される方が良いと思います。
*タスペーサー工法
タスペーサーとよばれるものを屋根と屋根の間に挿入して隙間を確保することによって、塗料の厚みで隙間が埋まってしまうのを防ぐ方法です。屋根の劣化の度合いによって使用するタスペーサーのタイプが異なります。
従来の縁切り工法の問題点を克服した現在は主流の工法になります。
従来の縁切りでは、スクレーパーやカッターなどを使って、塗料が固まった後に削ることで隙間を確保するという方法なので、
・隙間を確保しても塗料によって再び密着してしまうことがある。
・削った部分が傷む。
・時間がかかる。(約100㎡の屋根で、1~2日)
などの問題がありました。それに対してタスペーサー工法では、
・塗装前に設置するので、塗装に傷をつけない。
・作業が早い。(約100㎡の屋根で、2~3時間)
といった特徴があり、100㎡の屋根では約1,000個のタスペーサーを使いますが、人件費と併せて比べた場合、決して費用的にも高くなるということもありません。
さて次回はいよいよ中塗り・上塗りからお引渡しまでです。