住宅に余分なお金は掛けたくない? リフォームやメンテナンスはしないに越したことはない?
「衣」や「食」と比べてお金をかける意識が低い「住」
「衣・食・住」は人間が暮らしていく上で欠かせない物です。
でもそれぞれに対するお金のかけ方の考え方は違うような気がします。
生活していく上ではいろいろお金がかかります。
私自身、社会人になり一人暮らしを始めた時のことを思い返すと、会社勤めをしてもらった給料から、まず食費はどれくらいかかるかを考えていたと思います。
そのあと洋服や靴などがお金を使う対象だったと思います。
ボーナスでまとまったお金が入った時も、当時はまずスーツを買っていました。
それから旅行に行ったり、ちょっと贅沢な食事をしたり。
賃貸アパート(しかも社宅扱い)に住んでいたせいもありますが、「住」に対してお金を使うとか、将来のために貯めておくといった考えは、ほとんどなかったと思います。
住宅リフォームに付き纏う悪いイメージも足かせに
それでも家庭を持ち、子供ができたりすると、戸建住宅やマンションなどの違いはありますが、自分たちの住宅取得に関してはお金をかける人も増えてきます。
そして待望の住宅を手に入れると、そこで「住」に関しては完了と思ってしまうのです。
でも住宅も洋服や服飾品、または家電などと同じで、完成した時点から劣化が始まっているのです。
洋服や家電などは劣化が進み、着れない使えないとなれば買い換えるでしょうが、住宅はそう簡単に買い換えるわけにもいきません。
だからリフォームやメンテナンスをしながら、大事に住むことが必要になります。
ただリフォームが必要と解っても、住宅リフォームに付き纏う悪徳商法や手抜き工事などのイメージが、必要なリフォームを依頼するまでの足かせになっています。
長く、快適に生活していくためには、住宅のメンテナンスにかかるお金を計画的に貯めていくことが重要。
もう随分と昔のことのように感じますが、バブル景気の時代を境に建築業界においても「スクラップ&ビルド」という考え方から「ストック&リノベーション」へ方向変換してきました。
これはまさしく改修、メンテナンスを通じて建物の価値を高めていくことです。
毎年自分の家のメンテナンス費用として、世帯収入の10%でも5%でも貯めていく意識を持って欲しいのです。
そうすれば急な住宅設備機器の修理、交換にも慌てずに済みますし、もししばらくそういう出費が無くてある程度の金額が溜まれば、生活の質を上げるようなリフォームもできるようになります。
リフォームやメンテナンスはきちんと行っていく方が、長く快適に(時にはこれまで以上に)生活してことができるのです。