外装塗装リフォームの工程③
■外壁、屋根の下塗り(シーラー、フィラー)
下塗りとはシリコンやフッ素というような上塗り塗料の前に塗って、上塗りの塗料との密着を良くするという役割があり、シーラーやフィラーと言われます。見積もりにおいて「3回塗り」と書かれている場合、このシーラーやフィラーが1回目の塗装になります。
*下塗り塗料(シーラー、プライマー、フィラー)の違いと重要性
下塗り塗料は、外壁や屋根などの塗装面に一番最初に塗る塗装になります。業者によっては下地処理に含める場合もあるようです。下塗り塗料は、中・上塗りの密着性を良くするために、塗装面を整える役割を持つ塗料で、代表的なものとしてプライマーとシーラー、フィラーがあります。
人によっては薄く塗るのがシーラーで厚く塗るのがプライマーとか、水性がシーラーで溶剤がプライマーということがあるようですが、実は決まった定義はありません。一般的には、プライマーとシーラーは同じと考えていいと思います。ここではまとめてシーラーということにします。
しーらーは、中・上塗り塗料と塗装面の密着性を高める役割があると説明しましたが、上塗りに使う塗料には密着性がなく、そのためシーラーが両面テープのような役割をするのです。
また、傷んでいる塗装面は塗料を吸い込んでしまう性質があるため、シーラーをたくさん吸収させ、塗装面の吸い込みを止める役割もあります。このような場合、通常1回だけ塗ればよいところを2回塗る必要が出てきたりもします。
もし吸い込みが止まっていない状態で中塗りしてしまうと、塗装面にシーラーがきちんと塗られていない状態で塗装するようなイメージになり、密着性や耐候性に問題が出てきてしまいます。
シーラーには水性と油性があり、劣化の状況や以前塗られた塗料などに合わせて選びます。また油性のシーラーの上に水性の上塗り塗料を塗っても問題はありません。
塗料によって、下地の状態が良ければシーラーはいらないと書かれたものがあり、コストを下げるために業者の中にも下塗りを省いて見積りを出してくる場合がありますが、そこまで下地が良い状況ではそもそも塗装をする必要がありません。
塗装工事を行う場合は、必ず下塗りが必要だと考えて間違いはありません。
*フィラーとは何?
フィラーというのは、モルタルの外壁材にヘアクラックがある場合や、下地に凸凹や段差などの不陸がある場合に、平滑にならすために使われる下塗り塗料です。フィラーは、厚く塗る必要があるため、通常使うウールローラーと比べて塗布量が2~3倍になる砂骨ローラーを使うことが多くなります。
フィラーには水性タイプしかなく、下地の劣化が激しい場合は、シーラーを吸い込ませてからフィラーを塗る場合もあります。
また、微弾性フィラーというものもあり、これはモルタルの外壁材に使う下塗り塗料で、シーラーとフィラーを合わせた機能があります。ヘアクラックがある場合はこのタイプの下塗りが最も使われるものです。微弾性フィラーも厚く塗らなければならないのは同じなので、やはり砂骨ローラーを使います。