屋根リフォームの基礎知識
このブログでは、仕事の話はしないと以前書きましたが、仲間やお客様から少しはリフォームのことも教えて欲しいという声があり、私がこれまで最も携わってきた外装リフォームの知っておくと良い基礎知識的な話を何回かに分けて紹介することにしました。
今回は屋根のリフォームについてお話しします。
屋根塗装・屋根リフォームのポイント
屋根は普段目には入りにくく、劣化が進んでも見落としがちな場所です。しかし紫外線や熱・風雨を直接受ける過酷な環境のため、家屋の中では最も傷みやすい部分であると言えます。屋根が古くなり傷みだすと雨水が家の中に入り込み、家の骨組みをカビや腐れでダメにすることもあります。落ち葉やゴミがたまれば水はけが悪くなり、雨漏りの原因になります。
屋根に関する基礎知識を押さえて適切なリフォームを行うことが、住居を長持ちさせることに繋がります。
ただし、屋根リフォームでは悪徳な訪問販売業者などによるトラブル発生の事例も多いので、安易に屋根へ人を上げないように注意することも必要です。
■屋根リフォーム工事は「3種類」
屋根リフォームには、「塗り替え」「重ね葺き(カバー工法)」「葺き替え」の3種類があります。屋根の素材や塗料にもよりますが、7~10年で「塗り替え」、15~20年で「重ね葺き」、20年以上で「葺き替え」というのが大まかなリフォームのサイクルだと考えてよいでしょう。もちろん屋根の状況や劣化具合、以前リフォームをしているのならそこからの年月なども考慮して、まずはリフォームの要否、そして実施すべき場合は最適な工法等を選ぶ必要があります。
また屋根材には大きく分けて「粘土系」「セメント系」「スレート系」「金属系」の4種類があり、それぞれの屋根材で可能な工法も違ってきます。
■屋根の塗装・塗り替え
「塗り替え」は最も手軽なリフォームで、屋根材に塗料を塗布する作業です。屋根の基礎部分である下地が、それほど傷んでいない場合に有効な方法です。塗り替えを行う屋根材は、セメント瓦・スレート系・金属系で粘土系の日本瓦や平板瓦の場合は基本的に塗り替えの必要はありません。
通常は高圧洗浄といって、強い水圧で洗うというより表面の古い塗膜を削り取る作業を行い、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを行います。
塗料の種類や価格については、後日「外壁リフォーム」の時に説明します。
近年では「遮熱塗装」や「断熱塗装」といったものも出てきているので、どのような効果を求めているかを施工業者とよく打合せしてから工事内容を決めると良いでしょう。
また色選びにおいてもポイントがあります。
① 周辺の家・環境になじませる。
② 外壁との色調を考える。
③ 屋根は住宅の外装の中で直射日光を最も受けやすく、鮮やか過ぎる色は色褪せも早いので避けた方が良い。
④ 面積効果(同じ色でも、大きい面積になると明るい色はより明るく、暗い色はより暗く感じられる効果)に気をつける。
屋根塗装は屋根のリフォームでは一番ポピュラーと言えますが、点検時に棟・隅棟部分に劣化が見つかり、同時に補修するケースも多いです。
次回は、重ね葺き(カバー工法)と葺き替えのお話をします。